blog拝啓、雲樹立つ寺より

地震は大丈夫でしたか(6日後にして)

投稿日: 2026.01.12


改めて見ると実は大事だった地蔵さま。すぐ直さなきゃ

 

皆さま地震は大丈夫だったでしょうか

震度5+!震源地は雲樹寺のすぐそばの広瀬町宇波というところ
いつか島根県東部地震なんて言われるんでしょうか
あるいは何も名前が付けられず、静かに落ち着いていくのでしょうか
このまま終わってくれるのであれば、それが一番いいですね

あれから六日間経った今日が来てもなお、雲樹寺全体の被害を掴み切れておりません
そんな私が、住職の醍醐です。

地震のせいばかりでなく、雪や大風も理由だと思うのですが
塔や灯篭がズレる以上に、木々が折れ倒れているのが意外に多いです
本震のあとすぐに見に行った時は大丈夫だったのに、後で不意に見ると地蔵さまが倒れていたり
塀にヒビがが入っていたり、柱が剥れていたり
何日か経った後で、木がぶっ倒れてきたり
想像もつかないというのは、大変な事です

まったく人生というのは、知った気になっており、さっぱり理解っていない事が多い

 

 

日本人で「地震が初めて」なんていう人はどれだけあるのでしょうか
地震大国なんて呼ばれる日本で、たいがい誰もが何かの地震にあっているものです
規模によっては気付けないこともあるかもですが
しかし私自身、大きい地震の最中にいたのは実は初めてだったりしました

中学生のころ、鳥取県西部地震が起きたとき、私はさっぱり地震を実感できていませんでした
たまたま丈夫に作られていたトイレの掃除をしていたからでしょうか
外で何やら大きい音がするなぁと思った程度でした
校庭で二時間ほど避難していたのは全く実感に伴わない対応だと感じたものです

修行中、東日本大震災のとき、ここでも私は静岡の道場のトイレにいました
地震の最中、私がトイレにいるにも関わらず、誰か二階で私が踊っていると勘違いしていました
トイレから帰ってくるともうひと笑い、そして翌日の新聞で知らされた、というものでした

だから私にとっては、こんな強い地震は正に初めてでありました
あんなに揺れるものなんですね
そんで震度5、これで、こんなになのかと驚きました

 

 

災害ボランティアには何度も行きました

そのたびに、こんなになのか、と驚いたものです

洗いざらい無くなってしまった町
中身がすっかり消えてしまった墓場
側溝からとんでもない量の泥にまみれた日用品が出てきたり

癒えない傷跡の大きさを確認するたびに、地震の恐ろしさを感じてきました
回数を重ねるたびに、みるみる解像度を増していった、とも思っていました
実際全くそんなことはありませんでした

百聞は一見に如かず
まさに、といったところ

一度揺れてしまえば、あとは身を任せるほかない強靭な振動
音と視覚効果
何よりも自分の体そのものが、動くはずのない地面から揺らされるという恐怖
揺れが収まった後も続く、また揺れるんじゃないかという感情
そしてどこか浮足立った神経

こんなに地震とは、恐ろしいものか
そしてこの地震が、さらに強くなったものが東北には来ていたのか
改めて思うほど、恐ろしさを感じます

何よりこれを、如何に努力しようと防ぎようがないという事実が恐ろしい
人間の矮小さを否が応にも実感させられるというのは、こういう感情になるのか

 

 

しかし、それでも、やるべきことをしなければなりません

そうして顔を上げると、雲樹寺の負った傷は幸いにも大したものではありませんでした

ズレたお墓も、寺族総出でどうにか全部元に戻せました
倒木は全部、片付けるだけで済む話でした
お地蔵さまや塀も、お金でどうにでもなります
人も物も、さっぱり傷ついていませんでした

よかった、と胸をなでおろすと同時に
やらねば、と強く思い立ちます

東北の現場へボランティアのために赴いたのは
あの凄惨な現場からでも立ち上がろうとする人々の活力ある姿勢を手本にするためです
全く大したことのない地震であったとしても
この小さな実感を胸に、学んだことをしっかり形にしないといけません

そういうわけで「あけましておめでとう」をしたばかりですので
無事な体があるのは、皆様方の御陰様だと信じながら
今年を良いものにしていくほかありませんので

どうぞよろしくお願いします

瑞塔山 雲樹寺
〒692-0056 島根県安来市清井町281
TEL:0854-22-2875 / FAX:0854-27-0281
参拝時間 8:30〜17:00
※上記以外の時間はお参りは出来ますが、職員の対応はありません。