blog拝啓、雲樹立つ寺より

天女と鬼の福めぐり

投稿日: 2022.04.04


桜と御朱印帳、きれいでしょ

 

もう今週なの!?
つい先週まで今週は来週だったのに
今はその来週が今週になって
再来週だったものが来週まで迫って来ていて
先週の先々週は先々先週になってしまっているのですか!?

ちょっと時間早くないですかね
こんなことを毎日言ってるからなんですかね
世迷言は精神に悪影響を及ぼす…?

こんにちわ、雲樹寺の醍醐です
皆様の近隣の時空はどうでしょうか
ここだけ切り取られたらヤバいブログ扱いされそう…!

でも客観的にどう見えるかなんてわかりませんからね
前からヤバい扱いだったかもしれませんね
気にせず行きましょうぬ

 

 

先週に引き続き鬼と天女の福めぐりの重要なファクターである
「天女」
のお話が出来ればと思います

「鬼」については先週のをどうぞ

ここまで書いといて怖いもの見たさで先週の自分を見てみましたが
まあ
まあ…
推敲してねぇ文章だな!

もっと今普通に言われてる言葉や事象にはそもそも原点からの多大なる意訳と違約が含まれているため時代ごとの恣意性を破棄することで見えてくる純粋な人間の善でも悪でもない心の働きを想うことで現在人たる私たちにとっての最大公約数を導き出す助けに
いけません発作が出ました
早く「天女」の話を!!

 

 

そもそも清水寺様と組んで両参りするにあたって
雲樹寺は何を出せるのかって話になったんですよ

創建から今までの逸話に「動物」が出てくるからそいつらにしようかとか
何か建物や実在の物をキャラクターにしようかとか
いっそ私をキャラにするかとか

いろいろ考えたのですが「清水寺の鬼大師」が相手でしたので

なるほど壁画風キャラ…
となると私が壁画になる方法を模索しようか
とか考えてたら既に壁画っぽくなってる方々があったので
じゃあこれだな!って感じです

あとはもう、あれよあれよという間に

 

 

「天女」
とは、要はアジア圏の天使です
極楽と我々の居る世界こと衆生を繋ぐ存在です

極楽とは、理想的な素晴らしさを超えた有難さが集まる世界です
ここと我々を繋ぐというのは本来かなり無茶
一節には距離的にもヤバい隔たりがあるそうですので

だから天女はその極楽から有難いものの素を持ってきてくれるんだそうです
なるほど…加工され完成した幸福そのものでなく原材料を運ぶ
これならばかかってくる関税や輸送コストも違う!
かどうかは分かりませんが、そういうものなんです

でも天女が何かを持ってくる様子ってあんまし見ないですよね
雲樹寺の天女も、持っているのはせいぜい楽器くらい
鼓、琵琶、笛、太鼓…
なんだよ手荷物じゃ関税掛けられないじゃないか!
ふざけた輸送効率しやがって!
いやお前はどの立場で税を取り立てているんだ

しかしこの楽器
我らの良く知る音では鳴らぬそうです

天女の持つ楽器が奏でる音は、私たちの良く知る音
風や水、木々のゆらめき、そういうものとして聞こえるそうです
そしてそれらこそが幸せの素である「祥」なのです

 

 

変化とは多く、音を伴います
物が動く結果音が鳴る、物が留まった結果音が鳴る
僅かで些細でも、けたたましく明らかでも音は音
そして変化は変化です

幸せというのは変化です
今ある状態に喜びを伴う変化が訪れる事こそが幸せの正体です

しかし、これは初級編
では次に

幸せの感知が喜びの発生に伴うのであれば、喜びとは上昇の変化です
下降する事は悲しみです
しかし、下降のあとに上昇が望めるのであれば、下降すら喜びと言えます

これは中級編
さらに次

上昇する事も下降する事も喜び、幸せに繋がります
しかし考えれば考えるほど、これらは望まざるとも起こるものです
真に幸せなのは上昇や下降を理由にしたものではないのかもしれません
この上り下りする線に例えられる私自身、自分自身がこの世にあること
これこそが、真に幸せなことなんです

上級編でしたが
ここで終わりではありません

自分自身とは自分自身だけで存在してはいません
有り体に言わずとも自分の発生は自分のあずかり知れぬところが発端ですし
自分というものの定義も、驚くほど多くの他人を見知っているからこそ分かるものです
幸せが何故幸せなのかも、他人から教わった知識が所以ではないでしょうか
であれば自身の幸せとは即ち他人の幸せ
他人の幸せを自身の幸せとして思う事が出来れば、理想です

こうなるともはや仏
仏の住む世界は…極楽

なんてこった!
幸せの原理を突き詰めていくと…世界は極楽となる!

 

 

ここまで言うとまるで宗教ですが、実は最初から宗教です

しかしどうでしょう、何かお金や物品、立場ではなく
自分の周りにいてくれる他人の幸せを願う事こそが大事なのだとすれば
宗教も悪くないんじゃないでしょうか

でもってその幸せを想う最初のマテリアルこそが
いつか私たちが目指すべき極楽からのおすそ分け
「祥」なんですよ

 

 

なんか天女そのものの話からは遠ざかった気がする

まあいいか…

あっ、ちなみに天女は雲樹寺の誇る重要文化財「日本最古の朝鮮鍾」にいます
そこそこ気安く見る事も出来るし、関連グッズなども出してみたりしてます
いつか気が向いたらご覧になりに来てください

でも凄いいい事書いた気がして精神が穏やかになった気がします
こいつ気がする気しかしてねぇな
でも大事なのってこういう事の積み重ねのようにも思います

皆様もどうでしょう
幸せについて本気出して考えられる今日をお過ごしください

瑞塔山 雲樹寺
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