blog拝啓、雲樹立つ寺より

次回予告を脇に置く

投稿日: 2022.06.16


皆さんは知らないかもしれない私の良く知るお寺

 

はい前回は襖文字の話をするとか言っておりましたが
この通り全然違う話題を持ってくる
これが雲樹寺住職のやり方なんですよ!!
まったく申し訳ない…

襖文字は御來山の折にいくらでも説明させていただきますので!
是非御來山下さいね!!
そりゃもうひっきりなしに何度でもお越しください

最近法務局への手続きや本山への報告さらには師匠への答礼も済ませて
ようやく雲樹寺住職というものになりつつある醍醐です
まあ…死ぬ寸前には自他共に認めるそれに成れるでしょう、半々くらいの確率で

今日はそんなわけですので、老師というか修行の話です
長くなりますので半分の半分を要約したくらいで…

 

 

写真に在るここは静岡市の臨済寺
臨済宗だから臨済寺か!と思われる方もあるかもしれん
かかったな!それはブラフだ!!
ブラフってわけでもないですけど

臨済寺の臨済は臨済宗の臨済ではありません
臨済寺殿用山玄公大居士の臨済です
えっ知らない?
かの有名な今川義元の兄にして第10代目今川家頭首の戒名なんですけど
この方を祀る為に「善得院」を改めて「臨済寺」が爆誕したんですね

臨済ってそもそもどういう意味なんだよって思いました?
思ってない?
でも喋ります、許されよ…

「済」は川の渡し、港的なもの
「臨」は居ること、向き合うこと

臨済とは、川を行き来するような動き有る人々を見守る事を表します

私たちの居るところから悟りの世界や死後の世界への行き来を見守る
あるいは、生きる人々の生きざまを見守る
そういう言葉なんです

えっ脱線してる?
とにかくそういう名前を持った寺なんですよ、臨済寺は
特例の位に有って修行道場としての機能を持つ「僧堂」寺院なんです
私はここでほんの3年とちょっとだけ修行しました

 

 

短い…短くない?
皆さまはどう思われるかわかりませんが、って聞こうと思ってたのに
感想が先に出ちゃいました

いやもう隠せもしないですが短い!短いんです
修業3年とかようやく一周してないくらいのものですよ…
でもあんまり短いとか言いすぎると要らぬ角を立てる…
こんな過疎ブログでも気遣いを込めて以下の文を述べねばなりません

(※個人の感覚です)

はい
いやでも個人の感覚でしかありません、ホントに、修行ですもの
他人様の修行は私めのものではありません
私にとっての3年が、私にとって短いものでしかなかったという事
短い人は1週間もせず、それどころか伝説では数分の人もいるんだとか
そんなのとは比べてらんねぇな!それこそ個人の感覚だな!!

で修行っていうのは基本集団でやるものです
その集団を纏める人、ここでいうと臨済寺のボス、それが老師
この老師が文章の前半でいうところの師匠なんです

修業と言えば一人で山籠もりを想像される方もあるやもしれません
悪い事では無いんです、山籠もりソロ
だけどホラさっき言った通り「臨済」って言葉の意味を想うと
一人じゃあ…ちょっと分からないと思います
行き交う人々、生き交う人々の有様に臨むのであれば
ここにおける正しさは、人の中にこそ有りますので

とにかくその修行を指導してくださるんですね、師匠は

そんな師匠に「お願いします!ずっと修行させてください!」とか
半ば定型文のようでもありますが、言うだけ言っといて
ある程度時期が来たら勝手に帰るんだから雲水(私含む修行僧)ときたら

しかしこう、だからこそ、なのでしょうか
どこか後ろめたい感覚というか、忘れ物を探すような
そんな感覚が有るわけです

もちろん、僧堂を出たから修行が終わりってわけではないんです
生きてる限り修行中です。まずこれは誰もが知るところなのですが
だから誇って僧堂の外に出ていくべきなんです、だって修行を辞めるわけでは無いし
雲水という形のない立場は脱却するしないどころか、定義が無いくらいの言葉ですので

だからってわけでは全然ないのですが
忙しかったりコロナの事が在ったりそもそも島根と静岡の距離感だったり
そういうもので時間が空いて

随分、老師様とお話出来ておりませんでした

 

 

それが今回、改めて老師とお話しできる機会がやってきまして
答礼といいまして、4月24日の御來山のお礼を改めて行うという機会でして
大変お忙しい中の時間を縫って、お会いすることができたのです

この1時間弱の時間が有難かった!というお話をしたかったんです!

でも思い返してみるとほとんど個人的というかそういう話が多いな…
っていうところで全部いい部分だったんですけどさらにいい部分を抜いて要約すると

「頑張ってるね」って言ってもらえたんですよ

これがですね、嬉しくって
私が持ってるような焦燥感や危惧、対応
活動やその成果
そういうものを全部が全部ってわけではないのですが、認めてもらえたというか
結果が伴っているわけでは無いです!決して!
あくまで、今やってることを努力の一環として認めてもらえたことが嬉しかったというだけでして!

というかですね、意訳すれば「頑張ってるね」であって原文ママでは無いですからね
なんというかこう、目標に向かって苦労していることを言っていただけただけで
それだけですが嬉しかったんです

なにせ未だに未熟未熟な私ですので
これが修行中だとどんだけのものだったか想像つきますか!?
そんな私をどうにかこうにか育ててくださり…
なのに勝手にいなくなっておいて

そんな私を、またきちんと見てくださったのが嬉しかったのですね

思えば高校からこっち、いろんなところで決定的な助けをくださったのは
どこかしら仏教が関わっていたように思います
仏教によってようやくここまで生きてこれたように感じます
そんな仏教の顔は…私にとって例えば老師のような顔にも見えるわけです

ちょっと飛躍してるかもしれんな…

とにかく
なんというか大変いい思いをしたという話です、私が
そんで、そのために動いていたので毎週月曜更新のブログが遅れたのです
ははーんそういうことね、っていうのと
あと、臨済寺というお寺を知ってほしかった、そういう文章だったんです

私も、川のほとりで人を眺める人間になれるだろうか

瑞塔山 雲樹寺
〒692-0056 島根県安来市清井町281
TEL:0854-22-2875 / FAX:0854-27-0281
参拝時間 8:30〜17:00
※上記以外の時間はお参りは出来ますが、職員の対応はありません。