平和の歌を前にして
投稿日: 2022.07.11
鮮烈な赤、生きていることを連想させる色
ちょっと急に京都に行ったり広島に行ったり岡山に行ったり
また京都に行ったり
何ができるわけでもないのに忙しい
そんな雲樹寺住職、醍醐です
行くと約束していたものに行けなかったり
なんと迷惑な住職…いや人間なのでしょう
各方面に申し訳ないと思っております、ホントに
私はこんななのに物事は流れ続ける…世の中は凄い
しかし流れ続けるというのは、好むと好まざるとに関わりません
誰も望んでいないことが起きたりも、します
それでも流れ続けるからこそ、流れというものは尊い
〇
日本で起きる凶悪な事件っていうのは、なんというか
斜め上というか、画面外というか
ズレた動機から規格外の凶悪さが爆発してることが
有る気がします
もしかしたら他の国の諸々もそうなのかもしれませんが
あるいはその事実から外れた突拍子の無さを狙った人がいるのか
ともかく起きてしまったこと
この日本における安部元首相の殺害は如何ともし難い
ですがこの事件とその経過、影響はよほどこの後議論が有ります
何なら私が言う必要が無いほど
情報も知識も私には足りてなさすぎる
でも言える事があるとしたら、この犯人の話でしょうか
まあ、この犯人さんの話も多分今後もっと出てくるんでしょうけども
〇
犯人の方
多分凄いところにいたんだと思います
誰もが知っていて誰もが感じた事の無い環境にいたんだと思います
やってしまったことに対して「どうでもいい」と思われる方も有るでしょうが
確かにそう、誰だって苦しみの一つや二つ、あるもんです
だからこそ、紐解いてひとつひとつを見てみれば、そんなの誰にでもある事に見える
俺だって、私だって、というもの…お前なんか、にも繋がったりするやつ
SNSでありがち、そんなこと誰だってそうだろって言われるやつ
職種や立場の差違、精神の在り方、家庭の境遇などなど
でも、じゃあ全部通しで理解できてると言えるでしょうか
結局のところ、その経験をしたのは一人きりです。誰もがそう
世界に一つだけの花って言いますでしょう、それが分かるんなら同じです。
育つ過程が違うから同じように見える花も全部違う。いい部分も当然ながら、悪い部分も
花だけ見て愛でていいのは、花だからであるわけです。
人を正しく理解できる人なんているわけがない、これもまた当然といえます
自身が多数決の大多数の側に立った時、忘れがちですが
相手の事が全部分かるなんて言う人の事の方が、信じられない
いや中にはそう言える方もあるかもですけれども
少なくとも、私だったら耐えられる自信が無いです
犯人の持っていた境遇全部が私の人生に上書きされるんだとしたら
いわゆる普通を身に着けて、普通に生きていけると思えない
こういう事件を起こさないなんて言えない
私なら無理です
私は彼に成り得る
これは情けない私自身を以って間違いなくそうだと言える
皆さまはどうでしょうか
〇
そういう、ああでもないこうでもないを含んで流れていくんですね
現に昨日はもはや今日になりました
今日もやがて昨日になって明日は今日になるでしょう
流れていく、流れていく
「きみは砕かれコンクリートになった岩の為に祈った」
っていう歌詞が「ネオメロドラマティック」って曲にあるんですけど
あの歌も流されながらも前向きに生きる事についての曲だったような
だったらこの歌詞に込められているのは、俯瞰して見る自分達への祈りになる?
それとも、ただ無意味としか思えない行動への揶揄?
結果として大きな岩は、流れによって砕かれ、大きな流れの一部になったとも言えます
大きな岩のままでも、私たちと同じ流れの中にあったのですけれど
でも岩じゃなくなったからこそ、より多くの人々のいる所に行けるのかもしれません
しかし、岩であり続けていて欲しかった
今はもうコンクリートの欠片を見て岩を思い出すしかありません
あとは私たちの心の働きに委ねられてしまったのです
岩を砕いた流れの先端を務めた方に付いた名前は明らかになりました
しかしそれはたまたまの先端部分
後押しした大きな流れのひとつひとつに、先端と同じく名前は有りました
中には、後押ししたという自覚すら無いまま、流れに加わった方もあります
それは心無い、無責任な言葉や行いを含むものです
起きてからでは遅いのだと
どんな軽い言葉も、重い行いに成り得るのだと
いいものも悪いものも、全てまとめて流れていくのだと
強く強く自覚していかなければなりません