blog拝啓、雲樹立つ寺より

謎の箱の正体については、こちら

投稿日: 2023.04.10


世界の何だコレ!?ミステリー放映のようす

 

雲樹寺の住職、醍醐です。
さいきん、なんだかテレビに出がちです。
わざととかじゃありません。なんか出るんです。なんでだろ。

さて今回は駄弁を弄するのではなく、解説を致しましょう。

「世界の何だコレ!?ミステリー」とは、毎週水曜日19:00だったかのテレビ
私もたまに見るのですが、興味深く拝見しております
テレビ大好きなんです

この中によく用いられるネタが、石なんですけど
その石が、要は何でできているのか、っていうのをよく話してるんです
だったら、ウチにもあるぞって感じ

それがこちら

見ての通りの石っぷり
というか石にしてはなんというか・・・
生物らしいというか、サンゴみたい。

これらは、こちらの箱に入っています。

箱の中には見ての通り棚も有りまして
他にもいろいろあるのですが、つまり謎がたくさん。

ですが番組内ではほとんど解明されませんでした。
結論としては、個人的な「大事な物入れ」
種類が様々だったので、そうとしか言えない、というものでした
石も成分鑑定してくれなかったし・・・

あくまでテレビ番組とはテレビ番組・・・全能では無い!仕方がない事です。
しかし、人間の集合知はこれをきっかけに全能に近い働きを起こします!
意思を集め束ねるツールはSNS
初めて「コレやっててよかった」と思いました。すごいですね人間。

というわけで、現在進行形で進む理解について報告いたします。

 

〇箱について

 

これは「大事な物入れ」で間違い無いです。
ただ、目的が有って集められたものですので、ただの大事な物ではない

「盆庭」(ぼんてい)
コレの為の道具であるみたいなのです。
インスタグラムの投稿にコメントくれた方から戴いた知識です。

盆栽、だったら皆様も御存じですよね
植木鉢の中で植物を完成させる芸術です
これを植物に限らず、庭として作るのが「盆庭」です。
ミニチュアに似てる感じですね

でも、これがミニチュアと明確に違うのは、一回ずつ作るという事。
つまり、砂絵などと同じように、機に応じ場を見て庭を作るんです
事が終われば崩し、無に帰すという・・・まあ希望に応じて残したままにもするそうですが

上記の石は勿論のことですが


色違いの砂利が補完されていた小箱や、サイズ違いの羽
写真にはありませんが、ヘラのような道具やザルのようなものも
全部、その盆庭に関わって来る道具なんだそうです

中央にメインたる石を置き
砂利を専用の道具で撒き、広げ
箱の外に在る季節の花で周囲を飾り
そして枯山水の模様を羽などで薄く掘って刻み
時々の感情を形にしていったのでしょう

まだこの目で見たことはありませんが・・・
なんだか楽しそうですね!!
私も何か作りたいくらいの気持になります

 

〇手紙について

 

次はこちらとかでしょうか

ちょっと上下逆で申し訳ないのですが

お手紙と髪の毛
「気持ち悪い!」っていう感想はとてもよく分かります
わけのわからない漢字の羅列と髪の毛の束・・・呪いの類にも見えるものです
しかし、私たちの考えからすると、そこまでは思いません

髪の毛を切る、という行いには変化に向けての決意が有ります。

現代でも失恋した女性が髪型を変える等で残っている文化ですしね
髪の無い系の部族である我々にはチョットワカラナイですけど
でも私たちも「得度」という儀式で「断髪」を行います
師匠とされる方に髪の毛を切ってもらい、しかる後に「頭を丸める」
僧侶になる為の決意を固めるわけですね

加えて、この漢字
これは七言絶句といい、中国から伝わる漢詩の文化です。
七×四行の文字列に、起承転結と字体そして字面の美しさ、音の優美さを加えたもの
そして、決意や覚悟を認めるための文章です。
とても奥が深いのですが、私には大変に難しい・・・

でも、内容は番組内で先生が言っていた通りのものを私も感じました
「恩師に出会った喜び」っていうやつですね
この恩師というのが、雲樹寺の当時の住職なのでしょう
おそらく、この手紙を送った者でありこの盆庭箱の持ち主は、ここで僧侶になったのではないでしょうか
だから箱も遺されている・・・まあ、確証は無いですが

とにかく、この手紙と髪の毛は何も怖いものでは無いということです。

 

〇他にわかったこと


木箱でない、石でもないものもありました
例えばこちら

他にもありましたが、大まか昔の薬とかでしょう、というもの
私もそうだろうと思ってました

そしたら放送後、その翌日ですね
電話が有りまして
お相手は福岡の教育委員会様だったのですが
「薬の詳細を知っている」とのことでした。

写真を見ると分かる通り「筑前」って書いてありますからね
福岡はちょうどそのあたりなんです

要約いたしますと
どうも福岡藩の御典医さまがありまして
その方が作っていた目薬と酷似しているんだそうです
当時の西日本を中心にベストセラーしていた商品らしいのですが
現在残っているものはほとんどなく
島根で見つかったのは初である、とのことです

これは凄い!ということで現在メールで確認中です

何よりおもしろいのはですね、この薬が本物かとかじゃなくて
私が知りえない知識を、私が知りえない方から戴けた!という点です!
だって絶対に分かりませんよ、不可能です
筑前って書いてあったからって言っても、私から連絡するなんてとても無理!
それなのに向こうからやって来てくださるなんて!

これは完全にテレビの力です。

 

〇まとめ

 

感謝しかない、というものです

雲樹寺はこれでまた一つ、謎から救われました
ホントに何かわからなかったんですよね、これ

そして、分からないながらも究明していく様子が面白おかしくなるならば!
一番いい事なんじゃないでしょうか

当山にはまだまだ、分からないことがたくさんあります
山岡鉄舟の屏風だけど一文字も読めなかったり
月山富田城のお殿様の字で読めるんだけど全く意味が分からなかったり
そういうのが、たくさん

だから今後もそういう機会が有れば何度でも嬉しいなと思うわけです

取材のために東京からわざわざおいでいただいたアンガールズ田中様を始めとするスタッフの皆様、またお願いします!

 

最期に
こういう事ができるのも、普段から御支え戴ける皆様の御蔭様です
誠に有難う御座いました

瑞塔山 雲樹寺
〒692-0056 島根県安来市清井町281
TEL:0854-22-2875 / FAX:0854-27-0281
参拝時間 8:30〜17:00
※上記以外の時間はお参りは出来ますが、職員の対応はありません。