blog拝啓、雲樹立つ寺より

胸毛

投稿日: 2023.06.26


雲樹寺の胸毛、意外と近くに有ったので探さずに済んだ

 

「卍(まんじ)って何?」質問者:26歳女性

そういやなんでしょうね
皆様も見た事あるのではないでしょうか、お寺のマーク
そう、地図記号におけるお寺を示すマークなんですこれ
なのに!
これがなんなのか知ってる人って多分ぜんぜんいません
当のお坊さんですらです!

というわけで今日は、お坊さんよりも詳しくなっちゃおうのコーナー
卍について解説しましょう

お相手はいつもの雲樹寺住職、醍醐
見る人が見ると文章にも個人差があるようです
私の文と妻の文は全然違うんだとか
目で見る分には変わらぬ文字ですのに、不思議ですね

 

 

さて卍って何か、と申しますとですね
端的に言えば「胸毛」です

胸毛・・・
いやマイナスに思った方それはおかしい
むしろいいように捉えましょうよ胸毛を
尻毛じゃないだけマシとかそういうのじゃなくって
まあ部位はどうでもいいか・・・

解説いたしますと
古く、仏教が成立する前にも宗教はありまして
そこには三柱の超エラい神様のうち一柱がありまして
「ヴィシュヌ」という名前のその方は偉すぎて本来姿形が無いのですが
あえて人の形を取りますと
その胸に生えた毛の形が・・・刈り揃えたわけでもないのに「卍」に!!
さすが神様!普通とは圧倒的に違う・・・
縁起が良いの塊だからきっと「卍」も良い意味に違いない!

というのが卍発生のいきさつです
・・・日本に伝わってきたやつの元ネタは

実は卍、世界中に在ります
古くは紀元前一万年前にウクライナで発掘された象牙に刻まれているとか
同時多発的・・・というにはスパンが長めですが
要は世界中で似た模様は考え出されていたんだそうです
これの面白いのは、基本的にどこで生まれた卍も縁起が良いもの扱いなんです
そしてデザイン元もほぼ同じ

中央から放射状に何かが出ている状態・・・これが十字の形になります
太陽からの光を表しているんですね
その十字型に放たれたものが更にいろんな場所に巡ると・・・卍になるんです
十字から、左に線が伸びると卍、「智慧」を表し
右に線が伸びた卐・・・右まんじ、逆まんじは「力」を表すそうです
この変形卍は世界的に悪い意味で有名になってしまいました
「智慧」より「力」を掲げる・・・しかも傾いた「力」・・・あっ、ふーん

さておき、日本に伝わってきた卍はインド産
何処からか伝わってきたか、編み出されたか・・・
胸に記されたそれは、仏教に乗って中国を通って日本に来るんです

そんで日本にてお寺に使われるマークとなり
やがて地図記号になる、と

 

 

上記の「神様だから」っていう理由で普通の人と違う状態になってること
仏様にも、その流れは汲まれております
例えば「腕がたくさん」とか「額に目」とか「なんか金色」です
分かりづらいですが「パンチパーマ(螺髪)」と「腕がちょい長い」「舌もいやに長い」もです

人と違うものなのに、人と同じ姿形にしないと凄さが伝わりにくい!
動物・・・どうぶつにしちゃうと・・・ちょっとねぇ?
っていうのは神仏をデザインするときの悩みだったようでして
縁起がの良さの次元が違うから人体を模してもこういう変化が起きるんだよ!!って風に
特別さに拍車を掛けさせるために取り込まれた意匠の中に卍もあったんですねぇ

面白いですよね、わざわざ姿が無いほど大きく偉大なものを考え出しておいて
あとから人の姿を与えてさらにアレンジしていくなんて
ある種矛盾した発想ですが、人々にはきちんと教えが残っている
途方もないほど多くの人の想いや考えが混ざり合ってるのだと感じます

 

 

まんじ、という読み方の由来は「万字」だそうです
中国においては「徳」とも訳された言葉が、日本では文字数に!
でも悪い意味じゃないはずです

おそらく「万の言葉を用いても足りないほどの有難さ」
「一文字で万の言葉に匹敵する有難さを持つ」とか
そんな意味なのではないでしょうか

こういう言葉がお寺を表すようになっているというのは、身が引き締まる想いですよね
万字たる所以を姿形と生き方に表さねばなりません
とんでもねぇな!!
でもお寺というのは、既にそういうものであるとも言えます
沢山の人々が生きた証、死の跡をを遺し続ける場所なのですから
だから大丈夫!

・・・ともならねぇな!
このお寺や仏教文化を守り続けるにふさわしい人間にならないとですね!
荷が重い・・・!
だからこそやりがいがある!とも言えますかね
まったく大丈夫じゃない!

というわけで、いかがでしたでしょうか
卍の意味、思ったよりもたいへんな感じだったのではないでしょうか
大変な感じであるからこそ、心して遣う・・・というよりは
もっと軽々しくバンバン使って知らず知らずに良さを広めるのがいいでしょう
その意味で考えると、昨今はとてもいい言葉が広まっていますよね
今日は最後にその言葉を口にして終わる事としましょう

マジ卍

それではまた来週

瑞塔山 雲樹寺
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