blog拝啓、雲樹立つ寺より

施餓鬼がおしえてくれたこと

投稿日: 2023.08.14

施餓鬼棚のようす

 

雲樹寺寺庭の彩香です!

先日11日は、雲樹寺で施餓鬼が行われました

この施餓鬼が、私にとっては

嫁いでから初めての大きな法要でした

 

施餓鬼が何なのか、何を準備するかも分からない状態だったので、

要領が悪く足手まといだったかと思いますが、

住職や他の寺族に教えてもらいながら、

私も何とか施餓鬼に携わることができました

 

さて、餓鬼も登場してくる仏教の世界観

六道を私が知ったきっかけは、7年前に公開されたある映画です

この映画は、主人公が不慮の事故で亡くなって地獄に落ちてしまい、

ある目的を果たすために人間道に転生を目指すというものでした

 

映画を観終わった後、六道の詳細が気になり

調べたことがあるのですが、

まぁ、地獄も然ることながら、餓鬼道もとんでもなく悲惨なんですよね…

手に取った飲食物が、ことごとく炎に包まれて灰になったり、

飲食物ではないもの(糞尿や骨)しか食べられなかったり…

餓鬼道は、筆舌に尽くし難い凄絶な世界のようです

 

調べた当時は、他人事にしか思えず、

餓鬼道に落ちた人可哀想…という感想しか

出てきませんでした

しかし、お寺に嫁いで餓鬼を供養する立場になると、

考えが改まりました

 

施餓鬼では餓鬼の他に、

供養をしてくれる人がいない無縁仏に対しても、

飲食物を施します

仏教では、苦しい環境に身を置かれたものに対しても、

分け隔てなく供養を行います

 

普段生活していると、自分とは直接関係ない

ものやことには、

なかなか関心を向けられないものです

実際、世界で苦しんでいる人たちにですら、

何もしてあげられていないのが現状です

しかし、ふと思い出したときにでも、

手を合わせるなど、自分にできることを実践してみると、

見える世界も変わってくるのかもしれません

 

自分が主動として、苦しんでいる誰かを

助けることが出来なくても、

主動している人を支えることでも、

苦しんでいる誰かを助けていることになっていることを

教えてくれたような気がした施餓鬼でした

 

瑞塔山 雲樹寺
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