blog拝啓、雲樹立つ寺より

青天の霹靂

投稿日: 2021.07.12


大雨のもたらす非日常、それはブログの写真に花を載せていた流れすら忘れさせる

 

大雨です

皆様いかがお過ごしでしょうか
私は意外と元気でした、元気で良かった、ホントに

朝起きると…というよりは雨に起こされた深夜でした
大きな雨音、近くの雷鳴、慌てる飼い犬
しかして外は暗く、仕方がないので私は二度寝したのです
朝には弱いわたくし
というのもありますが…ざっと見て出来る事が無かったんですよ
慌てるよりは寝るに限るんですね

実際、いつものような時間に起きてもやれることはありませんでした
ひどい雨は変わらず、雷も変わらず
犬だけはもう慣れて落ち着いていましたが

それでも何かできることは無いかなと
見回りして…そんでこういう写真を撮ったんですね

雲樹寺の誇る重要文化財が沈みそうな状況
これは参道の排水路の先がそもそもあふれていたが故のものです
ここからの水はさらに空き地にあふれ、道路にあふれ
…何もできませんでした

 

 

思うに、今回の線状降水帯
…いや線状でもなかったか、ただのジャイアント降水帯
これって予測されてたんですかね
前日夜の時点で予報には何もなかったように思うんですよね
少なくともこんな大雨になるだなんて書いてなかった
まあ…私の記憶なんかあてになりはしませんが

いや予測できてなかったことをどうこう言うつもりじゃないんです
難しいものです、あの技能に難癖なんてつけられません

そうじゃなくてこう…なんとも致し方のない事だと思ったんです
ああホントにどうしようもねぇんだなって

朝のテレビではどこもこぞって秋田の話してたんですよ
秋田でも大雨だったんだそうです
でも私がテレビ見た時点で既に秋田の大雨は小康状態で
報道で表示されてる日本地図では心配されてる秋田より
遥かに大きい雨雲が既に島根にかぶさっていて
…報道は秋田なんですよね

こういう点を見ても、どうしようもないんだなって思えるんです
誰も知らない、分らない
そもそも…知りようがない
誰もがそうなんです

 

 

「青天の霹靂」って言うと今回と真逆のようにも思えます
だって言葉面だけ見ると青空ありきですものね
この言葉の意味は「青空なのに前触れなく霹靂(雷)が響く」というもの
転じて「突然の激変」「いきなり大事件」を表します

であれば、予測できない大雨もまたこの意味のとおりです

目に映る通りの事柄だってわけですよ
さっきまで青空!
いきなり雷!
びっくり!
わかりやすい

そう、いきなりの変化だから驚く様子なんですよね

しかし考えてみれば、ほんとうにいきなりでしょうか
雷ですら仕組みとしては突然来るものではありません
雨雲の中の電荷が正に集まり地面の負の電荷に向けて流れを伸ばす
そもそもこの電荷は雲の中の高密度の水分子のぶつかりによる
高密度の水分子は地上から立ち上る水蒸気の成れの果てです
海や川、あるいは飲料水の向こうに雷が有る
とすれば全て原因と結果の上、雷すらあるいは過程
驚いたのは、この大自然の循環を知らない我々だから

しかし、仕組みを知っていたとて…
その発生を発生以前から如何にして感知できるものなのか
感知できたとしても音と光の混成合唱
驚かずにはいられません、にんげんだもの

問題はそう、我々が人間として生きていること
人間である我々は、どこまで行っても人間なのです
こんなこと問題にしてどうするの? 人間なんだろ?
貴方も、私も

 

 

人間は今後もまた沢山のものを手に入れていきます
ヒトといういきものも作る社会という大きな枠組み
ヒトとヒトの間に挟まって生きる我々、人間
お互いが繋がりを持つからこそお互いが進歩していける生き物
人間はだから、今後もたくさんを手に入れます

それでも限界はある

なにせ相手は我々自体を包む大自然
あるいは大宇宙
循環し収束していく熱力学第二法則の渦の最中
どれだけのことが及ぶものとなりうるのか
それを予測できるような人間になれるのはどれだけ先か

このような大雨被害にあうことがなくなり
報道も早くて地域ごとの差違が消えて
皆が損せず得することばかりで…

いやきっと限界が有ります
どう考えてもそうです

ネガティブにも聞こえるこの話
しかし事実
現に私はこの大雨の発生を知らず、雷に驚き
何よりこの大水をどうにもできない
なんと無力な!

でも、こんな状況でも、一人一人に出来る事が有るんです
積み重ねてきた時間も、今いる場所も違う人間だからこそ
一人一人、微妙に違う、出来る事が必ずあります

これもまた、事実

 

 

ひとまず諦めて、会えた檀家様方には危なかったらウチ来てねとか言ったりして

そうしてたら午後には雨はやみました

すぐに青天が戻ってきて
もう雷も鳴らず
水も引いていきました

事前に隅へ追いやった剪定ごみがまた道の真ん中に流れ着いて
その他にもごみがたくさん
中には豊かな土壌の象徴であるミミズさんの死骸まであったりして
なのに雑草はしっかり残ってるし

全く…いい事なしです

しかし私は元気です
とにかく明日からはこれらの片付けをしたりしながらお盆に向けての準備です
あるいは、被災された檀家様への何か措置を講じたり
そういう…自分にできる事をしていきます
なにせ私は元気ですからね

そんなわけで、
どうしようもない事も多いですし
どうしようもない事はどうしようもないままですが
とにかく、元気で良かった、というわけなんですね

瑞塔山 雲樹寺
〒692-0056 島根県安来市清井町281
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