blog拝啓、雲樹立つ寺より

忙しい季節が始まる

投稿日: 2021.08.01


一番暑い日の昼(現在時点)

 

様が八月二日にこのブログを見ているころ
私は何をしているでしょう
疲れてぐったりして、何もしていないかもしれません

これを書いている今は七月三十日
タイトルにある通りの忙しさがやって来る二日前です

忙しさの要因…それは棚経です

ご存じでしょうか、棚経

 

 

僧侶が寺の檀家様の御宅を訪ね
お経を直にお唱え上げする
そんな行事

ただそれだけ
地域によっては珍しくもないかもしれません

さて一見棚が関係無さそうな行事ですが、棚とは、精霊棚を指します
…これもそんな聞いたことないですよね
昔は縁側にこれを出してたんです
神棚をイメージしてくださればわかりやすいですが、要はちょっと高い台
そこにお家ごとの仏様の名前、戒名の書かれた位牌を置いて
やってきた僧侶は位牌に向けてお経を読む、と

精霊棚っていうと属性でも関係してきそうな響き
ですがこの時の精霊とは仏教的な意味合いで亡くなられた方の霊魂のこと
お盆の迎え火やら送り火ってのは、精霊棚に向けてご先祖様が帰るための目印
でも今では仏壇が一般的にあるので、精霊棚は無くなってしまいました
というよりは形が変わっただけですが

 

 

大事なのは、供養の心

・・・と言うのはそれはそうなのですが
始まった経緯というのはそればかりではないとも聞きます

お寺がかつて持っていた戸籍管理という役割
どうもここからの理由で以て、隠れキリシタンを探す目的もあったんだとか
仏壇の中に仏教じゃないものが飾られていないかとか
お家調査だったんでしょうね

まあ私も・・・なさけない事ですが詳しくは知りません
そういう側面もあったんじゃないの?的な
確かに分からない話ではありません
そういう事が重要だった時代、ありましたので

でも、だからこそ
大事なのは供養の心だと言いたいですよね

結局のところキリスト教っていうのが国益に対し是か非か
それを論ずるのは実に不毛です
しかし、あくまで信仰・・・自分や自分以外へのリスペクト
ひいては自分のルーツの為の礼
これが守られているんであれば、手段なんてのは些細です

仏教らしい心
おおらかに許す気持ち
大事にしたい

 

 

だから忙しいんですね

檀家の皆様方きちんと供養してくださる
忘れない

であれば答えなければならない!
丁寧に供養!希望者のお宅でしっかり供養!
結果的に忙しくなるのは致し方のない事なのです

誰も自分がキリシタンじゃないことをしめすためでなく
仏様が精霊が、祖霊が大事だから
その後に生きる自身を善く生かしていくために
供養してくださるのです

さて、そういうわけで
たぶん、ぐったりしています
それが八月二日の私です

 

瑞塔山 雲樹寺
〒692-0056 島根県安来市清井町281
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参拝時間 8:30〜17:00
※上記以外の時間はお参りは出来ますが、職員の対応はありません。