ごん、お前なのか
投稿日: 2022.10.10
椿の実、そして種。食べれません
皆様は誰からかも分からない善意のようなものをいただいた事が有りますでしょうか
雲樹寺にはそれがあります
私こと雲樹寺住職はそういうものを見るたび思うのです
「えっ何これは」って
・・・まあ何もかも把握できるわけでは無いので
突然いままで無かったような変化があると、驚いてしまいます
仕方ないね
今回そういう変化は写真にあるとおり
雲樹寺の御朱印:納経受付に起きておりました
さてこれは何かというと、椿の実と種です
〇
皆様はボタニカルな云々と聞いたことないでしょうか
リンスとかシャンプーとかリンスインシャンプーによくあるアレです
私ずっとアレ、牡丹(ボタン)から取れる性分か何かだと思ってました
違うんですね
ボタニカルってのは「植物的な、植物由来の」って意味の英単語です
つまりまあ植物的な何かの入ったリンスインシャンプーなのでしょう
当然、椿とも関係ありません
じゃあ何でこんな話したんでしたっけ
・・・(思い出す時間)
そうだ
ボタニカルを謳うものに混入しがちな椿油の話をしたいんでした
この椿の実、その中に入っている種は絞ると椿油を出すのです
それを集めて瓶に入れて、売る・・・
これが雲樹寺のある宇賀荘なる土地の名産、椿油なのです
椿油って皆様ご存じか分からないので、身近なところで例えたかったんですよ
宇賀荘の為に雲樹寺もこの実と種を集めておりまして
それがこうやって、いつの間にか受付の隅に少量ながら集めて置いてあって
これがですね、有難いなぁって
〇
まあ最初は戸惑いから入るんですけど
何か分かってから感謝するっていう流れでして
誰が何のために、わざわざ取って来てくれたのやら
声もかけずに置いていってしまわれて
拾うって、割とパワーというかエネルギー使いません?
道端に落ちてるものを手に入れる為に動くって、大変
だって皆様もどこかで、落ちてるものを発見したけど拾わなかったことって無いですか
それをですね、わざわざ拾う為に動くってのは、そこそこ苦労です
そうして拾ったものを、届けてくださる
有難いというほかありませんね
これをわざわざしていただいた方に抱く感謝を、昔話「ごんぎつね」に例えたのですが
なんかちょっと・・・あとで死んじゃいそうだし違ったかもしれません
でもこうやって陰ながらの支えを指して「御蔭様」といいまして
気付かないところ、気付きづらいところ、あるいは見知らぬ誰かや知っている方からのものでも
嫌いな人からのものであったとしても
行為自体が含んでいる「有難さ」は、絶対のものなんです
ありがとう、を言う対象がいないときの礼も「おかげさま」と呼べるんです
だからこそ、この実と伴ったであろう苦労に
ありがとうの気持を込めて
おかげさま、と言います
〇
・・・実は近くにはマスクも置いてあって
これ誰かなんか拾った後でウチに声かけて、それで忘れてってるな
とは思うのですけども
なにせ名前も何も書いてませんので・・・
ひとまず御蔭様という思いを表明した上で、有難くいただきました
そうする他無いというところでもあるのですが
おかげさまが形になって見えているように感じまして
そういう話をしたわけなんです
さて、椿の種ですが
近々、宇賀荘公民館におとどけして、そこから油やクリームなどになります
もしお立ち寄りの折に縁があれば、お買い求めくださいませ